2013年8月24日土曜日

何かが欠けている人が偉業を成し遂げる

以前も話題にしましたが
個人的に「人生」というのは,
自分が存在した事で,世の中を「良い方向に」どれだけ変えられたか?

と定義しています.
自分がこれまで,本で読んだり,実際に会ったりした人の中で,
職場の環境に大きな変化を生んだ人

について,じっくりと考えてみました.
もちろん,その方法は無数にあるわけですが.

結構多いパターンとして
「何かが欠けている人が偉業を成し遂げる」

例えば,
「空気を読まずに発言する人」
私自身も,そうですが(笑).
これ,はっきりいうと,
皆が持っている,「空気を読むセンサー」が壊れている.
わけです.

ただ,時として,皆が言いたくても,言えない事をいう.
というのは環境を変えるときに大切だったりします.
(上司の機嫌を損ねる可能性も多々ありますけど.)

また,新しい術式を考えて,実行する.
といのも,
「失敗したらどうしよう」というセンサーが壊れている.
とも言えます.
その術式を初めて考えついた時には,たいてい周りからは
「そんなの失敗するに決まっている」
とか
「どうなっても知らないよ」
と言われているでしょう.
でも,数年たったら,その方法がスタンダードになっていたり
するわけです.

皆と同調する事はとても大切ですが,
自分が生まれてきた意味(環境に変化を与えるという意味)
とは,ある意味,「自分に欠損しているパーツ」を
考えてみても良いかもしれません.

いろいろ書きましたが,
「人とよく衝突する」
とか
「人からよく煙たがられる」
という時は,本当はその中に,自分の才能が隠れている
のかもしれません.



医療用クラウドデータベースは成長する

以前から取り組んできた,医療用のクラウドデータベース
過去のエントリーまとめ

最近,登録数も順調に増えてきて,いいかんじです.
登録数が増える.事自体も良いことですが,
「皆で使っているうちにデータベース自体が成長する」
というのが一番のメリットと感じています.

例えば
ケース1
について,最初は,病名,術式,出血量.
というデータだったとします.
そこに,しばらくして,
「手術時間」
を追加.
またしばらくして
「術後半年のJOA CMEQ」
を追加.

といった感じで,どんどんデータベースが成長します.

また,最初に入力されたデータが,間違っていた事に気づいた人が
あとから修正できる.
というのも,ある種の成長といえます.

皆が使えば使うほど,成長していく.
というのは,本当に理想の形だなあと思います.

見せ方を工夫する

今回,二回目の訪問となる西表(いりおもて).
前回,ツアーをお願いした,
トイトイディスカバリーのたけちゃん
に,今回も1日ツアーをお願いしました.

今回が,2回目ということで,多少前回と同じような内容の話が多いのかな?
と思ったら...
ほぼ1日一緒にいたのに,前回と同じ話がほとんどありませんでした(驚愕).
どれだけ,いろんな事知ってるんだろう.

彼のツアーは,西表のメジャーな場所には行きません.
「せっかく西表に来たのに,観光客いっぱいいるとねえ(笑).」
と言ってました.

実際,今回のツアー中,すれ違った観光客は1組のみ(夏休みにもかかわらず).

ですが,彼のツアーには,大変魅力があります.

私なりに彼のツアーの魅力について考えてみました.
その結論として
「西表という大自然」を,いかに魅力的にみせるか?
というところが上手なんですね.
西表の魅力を知り尽くしている.
とも言えます.

自分が「西表の魅力」を知っているだけでなく
それを初めてあった人に上手に伝えることができる.

これは,我々の仕事に置き換えてみると

自分が行っている手術(技術や知恵)の魅力を
自分が知っているだけでなく,後輩に上手く伝えることができる.
という大切な事.

自分が知り尽くしている事というのは,ともすると,
説明が不十分になったり,自分目線の説明になってしまいがち.
初めて訪問した人に,魅力を十分に伝えるためには,
いろいろな工夫がありそうですね.

余談ですが,彼は,私達が訪問する前日に,ツアーで周るコースを
すべて下見されたそうです.
(前々日に台風が来たため,コースの中に倒木などが無いか確認するため)

また,次回訪問するときも,ツアーをお願いしようと思いました.

おすすめ本を紹介

ただいま,石垣島に観光にきています.
台風が直撃したため,外出ができなかったこともあり,
持参のKindle paperwhiteで,電子書籍をたくさん読みました.


↑一般書籍(電子書籍も発売中)

ユーグレナ(ミドリムシ)に関する本
東大発のバイオベンチャーの社長さんが書いた本です.
社長さんといっても,僕より全然若い人です.

ミドリムシは,植物と動物両方の栄養素を作れるし,そこから新たなバイオエネルギーを作れる,といった新たな可能性をたくさん秘めた生物.

このベンチャー企業は,世界で初めて,ミドリムシの大量培養に成功したのです.
(大量培養が,いかに難しいか?は本の中で明かされます.)

ミドリムシは,昔,理科でならったとおり,
植物と動物の両方の性質をもっています.
そのミドリムシを大量生産することで

発展途上国で栄養素の豊富なミドリムシを生産する仕組み
ミドリムシをバイオエネルギーとして,最終的には飛行機の燃料に使用する仕組み
万能の宇宙食にする仕組み

などについて,書かれた本です.
ホリエモンが途中で登場したり,色々波瀾万丈なストーリーです.

興味がある方はぜひ読んでみて下さい.

多施設合同研究の共著者について

前回のエントリーについて,色々な人からご意見を伺いました.
ありがとうございます.

やはり意見は完全に分かれていますね.
でも現在の多数派は,
1)貢献の多い施設(たくさんの症例をエントリーした施設)のドクターを,施設のトップから順番に載せる.

という意見でした.

また,中間の意見としては,
2)論文に掲載可能な人数は,事前に決めておいて,
誰を掲載するかは,施設毎に決めてもらう.

現実的には,2)が,今のところ一番良いかもしれませんね.
2)であれば,チーフの考え方次第で柔軟な対応が可能になります.
(まだまだ先の事ですが,論文作成に直接関わった人を優先的に載せてあげる施設は,若手に人気がでる??可能性も.)

そして,Nagoya Spine Groupのルールが,非常に明確.
という意見もいただきましたので,リンク先を掲載しておきます.

Nagoya Spine Groupのルール

以前は,こういった相談って,身内でメールや電話で相談するしか無かったのですが,
最近では,ブログやFacebookといったツールを利用して,
短期間に色々なアイディアを共有できるようになりましたね.

2013年8月18日日曜日

多施設研究を論文にする際の共著者

現在OSG(Okayama Spine Group)では,
データベースも順調にすすみ,いくつか多施設合同研究も
立ち上がっています.

今後,多施設合同研究を論文にする際,
共著者をどのようにきめるか?
という問題があります.

単一施設の研究であれば,あまりもめることはないのですが.

実際には2つの案があります.
1)施設のトップを載せる
2)貢献の大きい人を載せる.(施設のトップは謝辞に掲載)

日本でも,世界的にも,1)が一般的な気がします.

ただ,論文の大原則からすると,本来は2)であるべき.
とガイドラインにも記載されています.
ICMJE統一投稿規程
*Chairmanは,謝辞に掲載するのが原則.と記載されています.

従来の慣習どおり,1)にすると,ほぼ全ての多施設研究論文が
First author, Second author, 施設1のtop,施設2のtop,施設3のtop,施設4
のtop,施設5のtop
といった感じになってしまいます.
実際に,論文のデータを集めた人達の名前を載せることは難しそうです.


例外はあっても良いと思いますが,OSGとして原則1)にするか2)にするか?
という指針は作っておいたほうがよいと思います.


私自身は,若手のモチベーションを考えると2)が良いと思っているのですが,
OSGの中でも,意見が完全に分かれています.


大変難しい問題ですが,今後の事を考えると,とても重要な問題だと思うのですよね.

2013年8月6日火曜日

クラウドソーシングの衝撃を読みました

いつも欠かさず読んでいる,ちきりんのブログに
クラウドソーシングに関する本の特集がありました.

2013-08-04 「低価格ジョブ」は、民主的な市場に不可欠
(7/15以降のエントリーも参照で)

クラウドソーシングの衝撃

↑一般書籍

↑Kindle

クラウドソーシングとは,Wikiによると
クラウドソーシング(英語: en:crowdsourcing)は、狭義では不特定多数の人に業務を委託するという新しい雇用形態。ウェブサービスのトレンドの一つでもある。群衆(crowd)と業務委託(sourcing)を組み合わせた造語。 広義では、必ずしも雇用関係を必要とせず、不特定多数の人間により共同で進められるプロジェクト全般を指す場合もあり、その場合オープンストリートマップ(OSM)などが代表例として挙げられる。

現在,クラウドを利用したデータベース,iPadアンケートを作成していることもあり,
クラウドソーシング?という聞きなれない単語に興味をもちました.

一言でいうと
Webを通じて,仕事を依頼したり,逆に引き受けたりできるよ.
という新しい仕組みだそうです.

その国内企業の先駆けが,
クラウドソーシング Lancers
(ロゴがかっこいいですね.笑)

へー.そんな便利なサイトがあるんだね.
と思っていたところに,先日の福島のセミナーが関連してきます.

現在OSG(NPO法人岡山脊椎グループ)では,多施設合同研究の際に,
共著者をどのように決めるか?
というルールづくりを進めています.
その点について
福島でお会いした福島県立医大の加藤先生から有用な情報をいただきました.

ICMJEのwebsite

基本的に,上記サイトが共著者の定義をわりやすく示したものとして,
最も相応しいようですね.
ということで,上記サイトを翻訳しようと思いました.

ですが...自分で翻訳するのはなかなか大変です.
ということで,早速,クラウドソーシングLancersに仕事を依頼してみました.

Lancersを利用してみると,仕事を依頼する側,仕事を引き受ける側の
双方にとって,非常にうまい仕組みを作っていることがわかりました.

最初,ネットで仕事を依頼するのって,
相手がどんな人かわからないよね?
という疑問がありましたが,たくさん仕事をこなしている人は,
信頼の星が沢山ついていたり,
まさに食べログのような感じで,とても使いやすかったです.

どんな翻訳ができあがるか,今から楽しみです.