2016年10月7日金曜日

外科医を100年支える企業

以前から熱望していた
田中医科器械製作所を訪問しました!

私たちが普段使用している手術用の鋼製小物が
どのようにして作られているのか?
その工程を見学させていただきました.


鋼製小物は,板金から打ち抜かれたステンレスを
・ヤスリで削る
・曲げる
という二つの作業で製品化されます.

見学して感じたのは
手術用の鋼製小物は "芸術家の彫刻作品" と同じ工程で生み出される.

ステンレスの塊が,手になじむ製品になるまで,
ひたすら,ひたすら削り落としていく作業です.

加工前の鋭匙鉗子(先端が四角)

最初はステンレスの塊.それが無数の研磨を経て製品になります


製品を作る作業を見学した後
・刃こぼれしたノミの研磨
・鋭匙鉗子の修理
を拝見しました.

ノミの研磨
何種類ものヤスリを使います

刃こぼれした鋭匙鉗子の修理
金属を足すことができないので,ステンレスを削る量は最小限に.
でも切れ味は元どおりに.という難しい作業

製品の研磨に集中して,黙々と作業を進めていきます.

刃こぼれした鋼製小物が,
"本来の切れ味を取り戻した瞬間"
職人さんの笑顔が印象的でした.

研磨の終わったノミと鋭匙鉗子で紙を切らせてもらうと
手元に全く抵抗を感じませんでした.
まさに "職人の技" です.

手術中には,勇気をふりしぼってノミや鉗子を使うシーンがあります.
外科医,患者さん両者にリスクを伴います.
そんな時,手術用鋼製小物が
"無数の手間をかけて作り上げられた芸術品" であることを
理解していれば,外科医は安心してリスクを取りにいけるでしょう.

田中医科器械製作所は,なんと今年で創業100周年を迎えます.
100年継承された技術を見学できたことは,
外科医を続けていく上で,とても良い経験となりました.

編集後記
今回の訪問をサポートしていただいた田中さん(納車したての車で送迎してもらいました),ならびに快く対応していただいた田中医科器械製作所スタッフの方々に深謝いたします.


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