2016年12月22日木曜日

実臨床で勝ち残るプレイヤーに必要なスキル



先日ご紹介した本に面白い話題がありましたので,
一部ご紹介いたします.

ゲームには
将棋や囲碁のような"完全情報ゲーム"
(お互いの手の札が公開されている)

麻雀やポーカーのような"不完全情報ゲーム"
(相手の手の札をみることができない)
があります.

我々の行っている日常診療というのは,
後者に近い.

不完全情報の中で,
治療の勝率を上げるためには
・医師の臨床技能 (clinical expertise)に基づく治療

・臨床研究によって築かれたエビデンスに基づく治療
を統合して,勝率を上げる必要がある.

エビデンスがあるからする.
エビデンスがないからしない.
といった考え方は間違い.

その一方で,個人の臨床技能だけに頼って
エビデンスを知らないのもいけません.

RCTでは,例え治療Aの有効性が治療Bの有効性に勝る.
という結果であったとしても,全体の中には,
治療Bが有効な人もいる.

実臨床という不完全ゲームでは,
Clinical expertiseとEvidenceを統合して
自由に操れるプレイヤーが勝利するのでしょう.