2017年11月21日火曜日

不信社会の中国で,飲食店のドタキャンが起きない理由

先日,カウンターだけの小料理屋に行きました.
店主が,「最近,電話で気軽に予約をキャンセルされることが多くて,困っているんですよ.」とおっしゃっていました.

その小料理屋は,当日予約されているお客さんの数に合わせて,市場で仕入れる魚の量を決めているそうです.それが,当日キャンセル(最悪の場合,電話もなくキャンセル)されたら,腹も立ちますよね...
常連さんだと,このようなキャンセルはまずしません(誰か来れなくなったら,別の人を誘って穴埋めしたり,その人の料理分の代金を払うとか).

食べログで星の数をみて,とりあえず電話で予約.
当日,友人が体調不良でキャンセルしたから,全体の予約もキャンセル.
みたいなことが結構頻回にあるそうです.

キャンセルしたお客さん(一見さん)にペナルティーが無いことがその理由でしょう.
キャンセル料を徴収する.というのも一つの方法ですが,中国では別の理由からドタキャンが減っているようです.


リンク:中国で「飲食店のドタキャン」が起きない理由テクノロジーが「不信社会」を塗り替える

そもそも中国の画期的な決済手段といえば2004年に登場したアリペイが最初だった。(略) アリペイの仕組みは至ってシンプルだ。まず消費者が商品を注文し、スマホからアリペイに代金を支払う。アリペイは販売者に注文の連絡をし、販売者は商品を発送する。消費者は受け取ると、商品に問題がないか確認してアリペイに連絡。そのまま購入する場合は、アリペイから販売者に代金が支払われ、不満なら返品するとともに、代金もアリペイから戻ってくる。
なぜ、アリペイが中国でここまで受け入れられ、利用されるようになったのか。答えは簡単だ。中国は他人を信用できない“不信社会”だったからである。北京在住の友人と話していたら「中国では、極端な言い方をすれば、誰も他人のことを信じていないんですよ。長い間、この国は不信社会だったんです。でも、そういう社会だったからこそ、逆にこういう画期的なシステムが出来上がり、人々に受け入れられたんじゃないかと思うんですよ」という言葉が飛び出したこともあった。 
アリペイは自社の決済システムを利用した人々から、膨大な情報を得ている。そのビッグデータを今後政府と連携して、社会のあらゆるものに活用していくプロジェクトが動き出しているが、そのデータをもとに個人情報を自動的に分析、それを点数で評価しているのが、この芝麻信用だ。 たとえば、シェア自転車をきちんと返却したか、公共料金を毎月支払っているか、交通違反をしていないかなど、アプリに残るさまざまな履歴データを分析し、素行がよければ、芝麻信用のアプリに自動的にポイントが加算されていく。 評価基準は明確には公表されていないが、ポイントが高ければ高いほど、その人の「社会的信用」が高まり、日常生活がしやすくなる。


・予約したお店のドタキャン
・ホテル備品の持ち帰り

などなど.
これまでは,経営者サイドが泣き寝入りしていた「モラルの低い利用者からの被害」.
今後は,お店側だけではなく,利用者の社会的信用も数値化され,記録されていくのかもしれません.

食べログで見つけたお店を予約しようとしたら,「お客さんは,他店で過去3回ドタキャンされており,当店の予約はできません.」と言われる時代がくるのかもしれませんね.