2018年1月10日水曜日

整形外科医に女医さんが少ない理由

過去記事:女性医師の割合が増えてるみたい
女性医師の割合は,皮膚科,眼科,麻酔科で多く,なんと整形外科医は最低の4.6%(涙) 皮膚科と整形外科で,女性医師の割合が10倍違うというのは,衝撃でした.

自分が整形外科医だと,「なぜ整形外科医の女性医師は少ないのか?」という理由がわからなかったりします.「このノミは切れ味がすごくいい!」とか「このネジは,軸のブレが少ないから最高」という話をすると,大抵の人からは,「それの何がすごいの??」という目でみられることもしばしば(汗)
間違いが多いかもしれませんが,女性医師が少ない理由について考えてみました.

1)急患が多い
整形外科は,開放性骨折,脱臼,脊椎損傷などの救急外傷が多く,それが敬遠されているのかも.でもそれは男性も同じかな.
2)透視を多用する
妊娠中は,手術にほとんど参加できない可能性もありそうです.
3)元々女性医師が少ないことが,影響している可能性.
整形外科の学会に行くと,95%が男性です.男子校に迷い込んだか?と思うほどの男女比のため,「ここは,女性がくるところじゃない」と本能的に感じてしまうのかもしれません.
4)力仕事が多い
THAや外傷の手術で,髄内釘やステムを骨に打ち込む際の,金属製ハンマーで「ガンガン」というシーンをみると,女性医師がちょっと引いちゃう気持ちもよくわかります.
(でも,ここが整形外科医の腕の見せどころなので,結構ドヤ顔しちゃうのです...)
あと,片脚を片手で持ち上げて消毒とか無理!みたいな.
5)空間認知能力について
これは,先日研修医の先生と話していて,なるほどと思いました.
整形外科医の手術では,透視で正面像,側面像をみただけで,インプラントの方向を3次元に理解する.すなわち空間認知能力が必須になります.これ,苦手な人も結構いるみたいで,「あれは無理です」みたいに言われることが時々あります.空間認知能力は一般には男性が得意とする能力らしく,その影響もあるのかも.